コリドラスの混泳を考える② 他の魚と混泳させるときの注意点は? 争ったりしないの?

Moi!こんにちは、cory-paradiseです。

コリドラスは基本的に混泳向きな魚です。

SHOPの販売水槽を見ると、多くのコリドラスは他の魚と同じ水槽で販売されているので、多くの方が同じ認識でいることでしょう。

しかし、冷静に考えてみるとコリドラスは実に特殊な習性をもつ魚であることに気付くと思います。

温和な性格だとゆう認識ばかりが先行して、そもそもコリドラスとはどんな魚なのかが見えづらくなってしまうのではないでしょうか。

コリドラスと相性のよくない魚

まずはコリドラス側の視点から混泳相手を考えてみよう。

動きの素早い魚との混泳

コリドラスの「もふもふ」を観察していると、大抵はその場から動かずに行っていることに気が付くと思います。
また、コリドラスは餌を咥えて持ち運ぶことは出来ません。つまり、これと逆の事が出来る魚とは餌取り争いにおいて不利となる訳です。

泳ぎながら食事が出来て、動きの機敏な小型カラシン類や、水面付近をびゅんびゅん泳ぐ小型コイ類が相手ではコリドラスに餌が届く前に食べ尽くされてしまう可能性があります。

ポイントはコリドラスに餌を行き渡らせること。それ以外では特にデメリットのない混泳相手だろうと思います。

生活層が重なる魚との混泳

プレコやローチはコリドラスと同じ底層付近を住み処とするため、混泳は難易度があがってきます。

お互いに争う事は少ないのですが、スペースが狭いと身体が擦れ合ってにストレスを感じたり、縄張り意識を持っているプレコはコリドラスを威嚇することもあります。
もしコリドラスの皮膚に擦り傷のようなものを見つけたら、プレコに齧られているのかもしれません。

また、小型シクリットのアピストグラマも底層付近を生活層とする魚です。
特に産卵期~育児期のメス個体は攻撃的になります。もし、これらの魚と混泳を行うのであれば、住み分けを行うテクニックが必要ですので上級者向けだと思います。

好む水質が異なる魚との混泳

多くのコリドラスは弱酸性の軟水を好みます。
アフリカンシクリットなどのアルカリ性を好む魚とは、基本的に一緒に飼育は出来ません。混泳はやめましょう。

気性の荒い魚との混泳

シクリットは全般的に縄張り意識が非常に強く、テリトリーに近づく者は容赦なく攻撃してきます。

また、意外なところではブルーテトラの暴れっぷりはアクアリストの中では有名で、小型カラシンは個体によって性格の差が結構ありますので注意が必要です。

混泳に向かない魚としても有名なベタも非常に気の強い魚で、見た目以上に攻撃力の高い魚ですので要注意かと思います。

個体差はありますがベタ雌も同様と考えた方がよいですね

こういった気性の荒い種との混泳は、一見上手くいっているように見えて実はそうでもない場合があるので注意が必要です。

ディスカスエンゼルフィッシュといった中型シクリットは、コリドラスを気にしていない様に見えて、ときどき突っつく行動が観察されます。

その姿は威嚇と言うよりいじめに近いです。

コリドラスよりはるかに体格の大きい中型シクリットですから、やがてコリドラスのヒレや身体がボロボロになっていきます。そうゆう姿を見たくないのであれば、混泳はやめておくのが賢明でしょう。

肉食性の魚との混泳

当然ながら捕食されてしまいます。混泳は絶対不可です。

特にコリドラスを丸飲みに出来る大型肉食魚の場合は、とても悲惨な結末を迎える可能性があります。

コリドラスとはギリシャ語でヘルメットのような皮膚とゆう意味です。
つまり頭の骨が硬いため大型魚が捕食すると喉にひっかかり易く、結果として共倒れになる恐れがあるのです。

コリドラスだって嫌がられているかも?

さて、ここまで随分と混泳相手の魚達を非難してしまいましたが、ここからは逆に混泳相手の魚達の視点に立ってコリドラスの習性を考えてみたいと思います。

コリドラスの特殊な習性は、もしかしたら他の魚にとって迷惑行為かもしれないよね。そうゆう視点からも考えてみよう。

腸呼吸

コリドラスが水面に向かって勢いよく浮上する行為を水面ダッシュと呼びます。

空気を吸い込み腸呼吸するためですが、その行動が時には水槽から飛び出すほどの勢いで行うため大きな水音としぶきを伴います。

これは昼夜問わず行われるので、上層付近にいる混泳魚にしてみると迷惑な行動かもしれません。

もふもふ

コリドラスは目ではなく感覚器官であるヒゲを用いて餌を探します。

そのため照明を消しても餌を探すことが出来るので、混泳魚にしてみたらいつまでも「もふもふ」されているのは迷惑かもしれません。

ただ、この習性を逆手にとってわざと消灯後に餌を投入し、混泳魚に横取りされないようにするテクニックもあります。しかし「もふもふ」が見られなくなるのは飼育者にとって大きな問題でしょう。

毒!?

実はコリドラスは毒があります。

ほとんどの種は弱い毒ですが、Co.ゴッセイとCo.シュワルツィは強めの毒を出すことが知られており、輸送の際に過度にゆらすとストレスで毒を分泌し自家中毒になることもあります。

背ビレと胸ビレの棘条(きょくじょう)から タンパク性の毒を出すので 、素手で触るときには注意しないと刺されます。

刺されると結構痛い! タンパク性の毒なので、刺されたら傷口を絞りながらお湯で流すと痛みが早くおさまるよ。

同じ水槽内で生活する混泳魚にとって、近づくと刺される、しかも毒があるとゆうのは迷惑と言うより恐怖かもしれません。

混泳を成功させる!? かもしれないヒント

デメリットばかり考えてしまうと、混泳は止めた方がよいと結論付けられてしまいがちですが、混泳はアクアリウムの醍醐味の一つであってとても素晴らしいものです。

だからこそ、多くのアクアリストは様々な工夫をしたり、一縷の望みにかけて混泳に挑戦するのだと思います。

餌を行き渡らせる

どんな魚であっても混泳をする上で飼育者が最も注意すべき点です。

生き物ですから食事がらみのいざこざは必ず起きるものです。その中でもコリドラスは餌をとることが苦手で不利な状況になりがちです。その事を理解し、飼育者がしっかり観察と工夫をして餌を行き渡らせるようにしましょう。

底面積を広くとる

生活層を拡げることで過密を緩和し、お互いの身体が擦れ合うなどのストレス軽減にもつながります。

ただし、飼育者にとってはレイアウトに制限が設けられるので難しい課題かもしれません。もし他の方法で住み分けが出来るのであれば、底面積にこだわらなくてもよいと思います。

水槽を大きくする

金銭的な問題もありますが、可能であればまず実践したいことです。

ただし広くなれば良い訳ではなく、メンテナンスも含め自分の手に負えるかどうかの判断を冷静にしなくてはなりません。そうでないとせっかくの広い水槽が管理できずに仇になりかねません。

メンテナンスを考慮する

どんな水槽でも必ずメンテナンスは必要です。

「水換え不要」との宣伝文句が付く商品はたくさんあるけど、効果があるのは数か月から長くても半年程度の短期間だよ。アクアリウムは数年単位で維持することが目標だってことをしっかり理解しようね。生き物を相手にするのって、そうゆうことだよ。

混泳を成功させるためのテクニックとして、隠れ家を増やすため水草を多く植える、レイアウトを複雑にする、わざと過密状態にして縄張り意識を薄めさせる、といったものが存在しますが、初心者にはまず無理ですし、適度にやらないとメンテナンスが追い付かなくなります。

しかも、これは必ず成功するテクニックでは無いので、コリドラスや他の熱帯魚を死なせてしまってからでは元も子もありません。

混泳を始める際には、水槽に入れる魚達に関する情報をしっかり集めて、それに適したメンテナンスが出来る水槽を目指しましょう。

あとがき

冒頭で述べたように、コリドラスは他魚と一緒の水槽で販売されていることが多いので、無意識に混泳が当たり前だと思い込んでしまいがちです。
また、コリドラスが反撃をすることはまずありません。そのため混泳が上手くいっていると思い込んでしまうのではないでしょうか。

もちろん本当に上手くいっている事例もあります。
ですが、それは誰がやっても上手くいく訳ではないものなのです。あらゆる事柄を同じにすることは出来ませんし、魚にも個性があります。

混泳はとても魅力的で素晴らしいものです。
自然界には無い自分だけの水景を求める事はアクアリストの真理であって、アクアリウムの楽しみの本質であると思います。

しかし反面、水槽の中には自然界に無い「歪み」が生じます。だからこそ、飼育する生体のことを調べて知識を得ることは重要ですし、限られた環境で飼育者がどこまで許容できるのかを知ることが大切です。
また、万一トラブルが起きても対処出来るよう準備することが、飼育者としての責任ではないかと思っています。

最後に一つだけお願いだよ。
仮に混泳を諦めたとしても、熱帯魚を手放す時はどんな理由であれ絶対に河や池などに放さないでね。これは全てのアクアリストの約束事だよ。

このお話は色々な見解があると思います。難しい話題ですね。
またの機会に異なる視点からもお話してみたいですし、ご意見も頂ければと思います。

それではまた。Moimoi

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